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☆ Happy Halloween !! [*擬人化小説*]

ハロウィンの我が子たち。
そして橙流と仄月の不思議な関係。
リヴ擬人化のお話になっていますので苦手な方は回避お願い致します。
無駄に無駄に長い。終わりにセルフィでうちの子コスとかあったり無駄に長い [箱]ェ0`)
 
 
 
  
 
 
 【 Happyな一日 】 

 
  " Trick or Treat !! "
 
 
今年も、そんな子供たちの声が聞こえてくる日がやってきた。
最近では子供だけではなく、「Trick or Treat」もしくは「お菓子ちょうだい」と言えば
お菓子を配るサービスも頻繁になってきた。
商店街の方が賑やかい。恐らく仮装行列でもやっているのだろう。
 
そんな商店街から離れた静かな場所に、橙流の花屋はあった。
この日は橙流の店もハロウィンモード。
商店街からの客の流れで仮装もそのままに子供たちがやってくるのだ。
 
「とりっくおあとりーとー!」
「はいはい、いらっしゃい。」
「お菓子くれなきゃイタズラするよぉー!」
「うふふ、それは困るわね。」
 
静かな花屋がいっきに賑わう。
にこにこっと、手製のクッキーを持って店の外に出てくる橙流。
黒いとんがり帽子を被って、魔女の仮装でノリノリだ。
クッキーは小袋に分けられ、可愛くオレンジ色のリボンがつけられていた。
可愛らしいちびっこゴースト達が橙流を囲み、きゃっきゃっと手を伸ばす。
店の前に置いてあるこじんまりとした看板はハロウィン仕様に書き換えられ、
カラフルなチョークの文字で「お菓子あります」とハートマーク付きで書かれている。
 
「お姉さん、花束作ってくれるかな。あと…トリックオアトリート?でいいのかな。」
「はぁい、ありがとう。」
 
スーツを着たサラリーマン風の男。
花束は彼女か奥さんへのプレゼントだろうか?
そのついでに、看板を見ながらぎこちなくお約束の言葉を口にする。
 
「弌吏さん、私花束作るから表でお菓子配ってちょうだいね。」
「…私がか。」
「はいはい、働く働く!」
「く…。」
 
店の奥でいつも通りレジ番をしている弌吏も、この日は表に出された。
弌吏も簡単だが仮装している。
いや…仮装と言えるかは微妙なところだが、顔の右半分から手先まで包帯ぐるぐる巻き。
見えている肌色は顔の左半分。服装は普段のままだ。きっちり店のエプロンも着用している。
うまい具合に傷跡を隠し、一応念のため表に立つ覚悟はしていた。
橙流からクッキーのカゴを渡されると、のそのそ、しぶしぶ…と表へと出る。
 
「お菓子ちょーだい!」
「とりっくおあ…とり?」
「…トリート、だな。ごちゃごちゃしないで並べ。」
「わぁい!」
 
きゃっきゃっと賑やかいちびっこゴースト達にあっという間に囲まれた。
子供は苦手でも嫌いでもない。適当にあしらって、適当にクッキーを捌いていく。
そうしている間に学校を終えた橙夢と陸桜もやってきて、店番も華やかになってきた。
 
「…ねぇ橙流さん、俺のマフィンも配っていい?」
「あら、助かるわ~。もう少しでクッキーなくなっちゃうところだったのよ。」
 
陸桜はお菓子作りが得意だ。これまた可愛らしくラッピングされたマフィンをカゴの中に加えた。
今年は回覧板にチラシを入れてもらったり商店街に張り紙をしたりと宣伝したためか、
予想以上にお菓子目当てのちびっこたちがやってきたのだ。
ちびっこ、通りすがり、学校帰りの学生、常連さん…賑やかで、楽しい。
 
「橙流~、見て見て!」
「まぁ、可愛らしいカボチャパンツの吸血鬼さん。」
「俺も俺も。」
「ふふ、こちらは狼男さんね。耳としっぽが素敵よ。」
 
橙夢も陸桜も、店の奥で着替えてバッチリ仮装。
二人はこの後、商店街の夜の部の仮装行列に参加する予定らしい。
 
「弌吏さんも行こうよ、仮装微妙だけど。」
「微妙と言うな。これでも大変だったんだぞ…」
「あ、指のところの包帯ゆるゆるになってるよ、巻き直してあげる~。」
「…もう終わりに近いからいい。行くなら早く行って来い。」
「おー、楽しそうだなぁ~お前ら。」
「!」
 
お店も落ち着いてきた頃、レジで弌吏が橙夢と陸桜にわちゃわちゃ構われていると店の外から男の声がした。
聞き慣れた声、長身のシルエット。
店の中にゆっくりと入ってくると、その容姿がはっきりとする。
オレンジ色の短い髪と顎鬚が特徴的な仄月が、ふらっと散歩のついでにやってきたようだ。
ワイシャツに緩く締められたネクタイがまた似合っている。

「あ、仄月さんだぁ。」
「橙夢~、久しぶりだなぁ。」
「お店にくるなんて、珍しいのね。」
「おぅ、仮装するってんで見に来たんだよ。」
「あら…ふふ、どうぞ見てって。」
「おい、見世物ではないぞ…」
 
ぴょこぴょこ駆け寄る橙夢の頭をわしゃわしゃ撫でながら、微笑ましげな様子。
陸桜はシルエットが見えた瞬間に弌吏の背後に隠れた。
仄月のことが苦手なわけではなく、陸桜は長身の男性が苦手なのだ。
条件反射でついつい避けてしまう。弌吏も不服そうに彼を見遣っている。

「陸桜も姿見せてくれよ、おじさん傷付くなぁ。」
「…じゃあ縮んで。」
「無茶言うんじゃない。弌吏は平気なのに何で俺は駄目かねぇ。」
「弌吏さんはいいの!」
「なんだそれ!贔屓だー。」
 
…まったく、ちびっこはいなくなったと言うのに賑やかなことである。
残念ながら遥弐と白鴉は仕事が忙しくハロウィンどころではないらしいが、
これだけの面子が揃うのも珍しいことでしばし歓談した。
橙流と弌吏はわりと揃うとして、陸桜と橙夢が一緒に橙流と会うこと、
弌吏と仄月が花屋で顔を合わすこと、そして橙夢たちと仄月が会うことはあまりない。
 
「あ、ねぇそろそろ行かないとだよ、橙夢。」
「ほんとだ!もっとお話ししてたいけど…」
「またみんなでお茶でもしましょ。楽しんでらっしゃい。」
「うん!」

名残惜しそうな橙夢にみんなでいいこいいこ。
先を行く陸桜のオオカミしっぽを掴んで二人で商店街の方向へと小走りに去って行った。
 
「さて、お店もそろそろ閉めるわね。今日もありがとう弌吏さん。」
「私は菓子を配ってただけだ。」
「でも、いつも以上には働いたでしょう?」
「…まぁ、それなりにはな。」
「うふふ。」
「お前…いつもどんだけ働いてねぇの。」

いつもレジ番だけしている弌吏である。花束を作ったりもしているが。
橙流も普段は無理には接客はさせない、ゆるーい店。
留守番を頼まれた時はきっちりと橙流の分まで働くので、やればできるがやらないタイプ。
 
 

ガラガラガラ…っとシャッターも閉めて、店仕舞。
橙流も弌吏も普段の服装に着替え(弌吏は包帯を取るだけだが)、あとは帰るだけ。
橙流は店の奥がそのまま居住空間のため、見送りで一緒に外に出た。
 
「お疲れさま、また明日もよろしくね。」
「…あぁ。」
「んじゃあ帰るか…って言いたいとーこーろーだーが。」
「何だ?」
「弌吏、先帰ってな。」

言われなくても一人で帰る弌吏だが、少し不服そうに仄月を見遣る。
ここで自分一人を帰すということは橙流に何か用だろうかと。
だが、追及する間もなくにこやかに手を振られて帰って行った。
さて、二人きりになったわけだが。
 
「過保護な仄月さんが弌吏さんを一人で帰すなんて。」
「うはは、さすがにそこまで過保護じゃねぇよ。」
「ふふ。で、私に何か用かしら?」
「おぅ、今から暇?」
「えぇ、暇だけど…まさかデートのお誘い?」
「こんなおじさんじゃ駄目かねぇ。」
 
にこっと微笑んで、「いいわよ」と返事。
もちろん二人とも本気のことじゃない。冗談だとわかっている。
 
「最初からそのつもりで余所行きのネクタイだったのね。」
「おー、さすがだなぁ。バレてたか。」
「うふふ。」

じゃあ移動しましょう、とお店に鍵をかけて、裏路地のバーへ。
静かな静かな、隠れ家的なバーだ。
二人とも普段からお酒を飲むわけではないが、それなりに強い。
たまーにだが、二人で飲みに行くことはあった。
別に、特別な関係は何もない。ただの飲み仲間…程度の間柄。
 
 
コツン…と触れる程度にグラスを合わせた。
橙流のグラスには青色、仄月のグラスにはオレンジ色のカクテル。

「ハッピーハロウィン。…でいいのかしら。」
「んー、まぁ、それもいいが今日は…」

"ハッピーバースデー"
仄月の口から出た言葉に、橙流がぴくりと反応を示す。

「…私の誕生日なんて、教えたかしら。」
「いやぁ?なんだかそんな感じがしてなぁ。」
「ただ感じだけで?おかしな人ね。」

クスクスと笑みが零れる。
橙流は誰にも誕生日を教えたことがない。
何故なら、自分がいつから存在しているのかがわからないからだ。
ただ、リオンとしての橙流は確かにこの日、10月31日に誕生した…と、彼女の記憶の中に在る。

「不思議な人…」
「俺も不思議に思うんだけどなぁ。んまぁ俺が祝いたかっただけだよ。」
「いいわ、今日を誕生日にするから。ありがとう。」
「どういたしまして。」

不思議な二人。
グラスに口をつけて、飲み干した。


会計は仄月の奢り。
店まで橙流を送って、またなと別れた。
ほろ酔いの橙流は軽くシャワーを浴びるとすぐに横になり、一日のことを思い起こす。

「今日も、いい一日だったわ。」

とても賑やかで、楽しくて、笑顔の溢れた一日。
心がぽかぽか暖かくて、幸せでいっぱい。

「…あなたが、この世界で生きていてくれて、良かった。」

目を瞑り、ぽつりぽつりと、独り言。

「ねぇ…そう思うでしょう?」

語りかけるように、夢の中へと沈んでいく。
どこかで「えぇ、そうね」と聞こえた気がした。
きっと夢の中の、奥の奥のそのまた奥からだろう。

こうして、橙流の一日は終わっていった。
特別な日となって…



【END】
 
 
 *** 
 
橙流の精神は本軸の擬人化設定の方と繋がっている。
あちらの世界では橙流は泡沫の住人たちの過去を感じ取ることができ、
弌吏に過去特別な存在がいたということを感じとっている。
その存在がすでに亡くなっていることもわかっている(弌吏が亡くなったのだと知る前から)。
それが、こちらの世界で「あぁこのヒト」って繋がって、良かったねって。
仄月自身も、記憶や意識が繋がっているわけではないけれど、
無意識に彼女の精神とフィーリングが合って影響を受けて不思議な感覚があるのかもしれない。
 
そんなわけでごちゃごちゃ散らかった話になっちゃいましたが、
我が子たちのハロウィン風景と橙流ちゃんのお誕生日祝いを一緒にやっちゃったお話でした。爆
長くなっちゃったのでリヴスクショはまた別記事で… モゾモゾ。
 
 ***

最後にうちの子たちの仮装をセルフィで。
  
仮装とーむ☆ かぼパンもどき★
橙夢はこんな感じの吸血鬼さん。
右のはこんなパンツなイメージで。さすがに女の子なのでちっぱいは隠しておきます。←
パンツ、ちゃんとカボチャパンツなパンツがあれば良かったんだけど。
見せパン見せパン。白鴉の殺気を感じるけど見せパン見せてみた。パンツパンツ。
パンツっていい響きだと思うのです。パンで弾けてツで落ち着く。魔法の言葉、パンツ(何回パンツと云う気か)
 
仮装りっくん☆
狼男なりっくん。本当は右目は青色です。
がぉーっと肉食系男子………になれるのか!? 
うむ…でも、草食系ではない、かな。
好きな人にはわりとアピールするし、興味ない人はスルー。わかりやすい。
面喰いです。イケメン・可愛い子好きです。 …雑食系男子です(!)
あ、でも決して軟派な子じゃなくて、どちらかと言えば冷めてる子です。
 
仮装とーる☆
魔女!橙流ちゃんは髪色迷子。セルフィでは基本白。
現在は灰青で落ち着きつつも、気まぐれで髪色は変わり続ける。

仮装いちり2バージョン★
弌吏はお話中の仮装とはだいぶ違うけど。ついでに。←
サブ軸の擬人化設定での弌吏に合う髪型がなく迷走中。
右側のは本軸の擬人化の髪の長いの。
この髪型がしっくりきてたんだけど、後ろ髪ばっさりなのはなかなか…
いつかサイドが長いいい感じの黒髪が出てくれたらいいなー。

そんなわけで長い記事をさらに長くした阿呆。
うむ…反省はしている。 が、次回に活かされる気がしない(活かせ)
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