それでも、幸せ。 [*擬人化小説*]
白鴉と陸桜のお話。
ナチュラルに♂同士の恋模様なので苦手な方はバックプリーズ。
↓
↓
ワンクッション、的な。
【 二人の時間 】
「ねぇ、はーくあ。」
夜のこと、陸桜は少し甘えた声を出して、居間で寛いでいる白鴉の背中にまとわりついていた。
大抵は何かをおねだりしたい時だが、今回は何だと白鴉は無言で眉をしかめる。
「ねぇってば。」
「…聞こえてるっつの。」
「お願いがあるんだけど~…」
ほらきた。
白鴉はやれやれと小さく息を漏らして何だよとぶっきらぼうに聞き返す。
一応は、いつも聞くだけは聞いてくれる。
それが通るかどうかは、内容次第。
「あのさ、もうすぐ夏休みじゃん俺ら。」
「あぁ…゙お前ら゙はな。」
「どっか連れてって。」
そんなことだろうと思った。
白鴉は再び溜め息を漏らすと、背後にまとわりついている陸桜に顔だけ向けた。
目付きが悪いため、睨まれているようにも見える。
「俺は、忙しい。」
「うん、知ってる。」
「あ?」
「う…」
睨みを利かせる白鴉に陸桜は少し怯む。
別に怒ってるわけではない、これが白鴉の平常なのだ。
「一応、さぁ…ダメ元で言ってみただけじゃん。」
睨みから逃げるように、背中に指でのの字を書き始めた。こそばゆい。
白鴉は若くして古くから続いている呉服屋を継ぎ、何かと忙しい身。
休みが取れないわけではないが、今のところは店の顔として年齢で甘く見られないよう頑張っている。
ちなみに、陸桜はこの呉服屋の先代に施設から引き取られた養子だ。
もう一人同じく引き取られた同い年の女の子がいるが、紹介はまたの機会に。
白鴉もこの家の養子ではあるが、孤児の陸桜たちとは違い元の家柄はいい。
「たまには白鴉と出掛けたいよ…」
「………。」
のの字を書くのを止め、今度は背中にぴたりと頬を寄せる。
陸桜は寂しかった。
こうして普段から同じ屋根の下にいるわけだが、あまり白鴉と出掛けた記憶がない。
二人は、恋仲だ。
デートのひとつでもしたいという、陸桜の願望。
義理の兄弟という複雑な関係ではあるが、本人たちは特に気にしてはいない。
寂しさを埋めるため、陸桜自身もちょくちょく外でバイトをして家にいないことが多いが、
夜にはこうして家にいて白鴉が一息入れているところに甘えるのである。
「…悪ィ。」
「別にいいよ。頑張ってるの、知ってるから。」
「…来いよ。」
白鴉は膝をぽんぽんと二回叩く。
背中からするりと脇を抜け、陸桜はその膝に甘える。
さらさらと髪を撫でる手が、とても心地好い。
「はーくあ。」
「何だよ。」
「すーき。」
「…あぁ、俺もだ。」
本当は「好き」と返してほしいところだが、同意の返事を貰えて満足した陸桜は少しはにかみ、微睡んだ。
眠るまで、優しくその髪を撫で続ける。
そして、すやすやと寝息を立て始めた陸桜に自分の羽織を掛けてやると、横に置いてあった帳簿を手に取りぺらりと捲った。
これも大事な仕事のうち。膝に安らかな温もりを感じながら、白鴉は黙々とそれに目を通す。
特に問題がないことを確認し終える頃には、0時を過ぎていた。
深く息を吐いて、本日のお仕事はすべて終了。
熟睡する陸桜を抱え、そっと部屋のベッドに寝かしてやる。
「おやすみ、陸。愛してる。」
囁いて、額に口付け。
いつの日か、じっくりと二人の時間を歩める時がくるように…
白鴉は先代に恥じぬ店主になれるよう、日々頑張っている。
「…バカ。」
静かに閉じられる扉に向かって、ベッドの中からぽつり。
あぁ、顔が熱くて眠気も覚めた。
心の中で何度もバカバカと呟き、陸桜の夜は更けていく ――― 。
【END 】
* / * / *
夜、少しだけ白鴉が休憩をしているその時間が、二人きりの唯一のまったり時間。
一時間もないほんの数十分の間だけの、スキンシップ。
もちろんそれ以外にも白鴉は休憩をしたり陸桜とも話したりはするけど、必ず他に誰かがいる。
従業員なり橙夢なり客なり嫌味を言いに来る分家の人達なり。
店が休みの日でも、白鴉にはまだまだ勉強することがたくさんで遊んでいる暇などない。
なので、基本的には橙夢と二人で出掛けるかバイトしてる陸桜。
学校にはあまり仲の良い友人はいない様子。実は、人見知りで、引っ込み思案。
でも、一人ぼっちは嫌い。だけどどうしても輪に入って行けない。
陸桜はこの年頃のわりには落ち着いていて、あまりクラスに馴染めないよう。
話しかけられれば普通に話すけど、常に心の壁越しに接してる。
とくに悪口とか避けられてるわけではないけれど、どこかクラスで浮いている、そんな感じの子です。
本当はすごくすごく寂しいけど、白鴉のことを心の底から応援してるし、いつか支えになれたらと思ってる。
いつか陸桜にもお友達ができたらいいね。
なんて思いつつ、わりと大人しい女子の中になら馴染めるんじゃないかと思ったり思ったり思ったり(?)
陸桜、お菓子作りが好きだったり可愛い物が好きだったりと何気に女子力?が高い。笑
もうすぐ夏休みですねー。あんま関係ないけど。ただ暑いだけじゃっ(ムキャッ)
我がリヴたちは夏休みどう過ごすんだろう、と もわもわ。
絶対キャンプとかそういうアウトドアは行かない。笑
橙流や橙夢や遥弐は好きそうだけど、それ以外はわりとインドア派な我が子たち。
海くらいは行くのかなー。避暑地に旅行にでも行けばいい。むしろ私が行きたい。
ではでは、皆様熱中症などには気を付けて、水分をよく摂られるのですぞ(誰だお前)
[ヒキコモリ]・)ノシ
ナチュラルに♂同士の恋模様なので苦手な方はバックプリーズ。
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ワンクッション、的な。
【 二人の時間 】
「ねぇ、はーくあ。」
夜のこと、陸桜は少し甘えた声を出して、居間で寛いでいる白鴉の背中にまとわりついていた。
大抵は何かをおねだりしたい時だが、今回は何だと白鴉は無言で眉をしかめる。
「ねぇってば。」
「…聞こえてるっつの。」
「お願いがあるんだけど~…」
ほらきた。
白鴉はやれやれと小さく息を漏らして何だよとぶっきらぼうに聞き返す。
一応は、いつも聞くだけは聞いてくれる。
それが通るかどうかは、内容次第。
「あのさ、もうすぐ夏休みじゃん俺ら。」
「あぁ…゙お前ら゙はな。」
「どっか連れてって。」
そんなことだろうと思った。
白鴉は再び溜め息を漏らすと、背後にまとわりついている陸桜に顔だけ向けた。
目付きが悪いため、睨まれているようにも見える。
「俺は、忙しい。」
「うん、知ってる。」
「あ?」
「う…」
睨みを利かせる白鴉に陸桜は少し怯む。
別に怒ってるわけではない、これが白鴉の平常なのだ。
「一応、さぁ…ダメ元で言ってみただけじゃん。」
睨みから逃げるように、背中に指でのの字を書き始めた。こそばゆい。
白鴉は若くして古くから続いている呉服屋を継ぎ、何かと忙しい身。
休みが取れないわけではないが、今のところは店の顔として年齢で甘く見られないよう頑張っている。
ちなみに、陸桜はこの呉服屋の先代に施設から引き取られた養子だ。
もう一人同じく引き取られた同い年の女の子がいるが、紹介はまたの機会に。
白鴉もこの家の養子ではあるが、孤児の陸桜たちとは違い元の家柄はいい。
「たまには白鴉と出掛けたいよ…」
「………。」
のの字を書くのを止め、今度は背中にぴたりと頬を寄せる。
陸桜は寂しかった。
こうして普段から同じ屋根の下にいるわけだが、あまり白鴉と出掛けた記憶がない。
二人は、恋仲だ。
デートのひとつでもしたいという、陸桜の願望。
義理の兄弟という複雑な関係ではあるが、本人たちは特に気にしてはいない。
寂しさを埋めるため、陸桜自身もちょくちょく外でバイトをして家にいないことが多いが、
夜にはこうして家にいて白鴉が一息入れているところに甘えるのである。
「…悪ィ。」
「別にいいよ。頑張ってるの、知ってるから。」
「…来いよ。」
白鴉は膝をぽんぽんと二回叩く。
背中からするりと脇を抜け、陸桜はその膝に甘える。
さらさらと髪を撫でる手が、とても心地好い。
「はーくあ。」
「何だよ。」
「すーき。」
「…あぁ、俺もだ。」
本当は「好き」と返してほしいところだが、同意の返事を貰えて満足した陸桜は少しはにかみ、微睡んだ。
眠るまで、優しくその髪を撫で続ける。
そして、すやすやと寝息を立て始めた陸桜に自分の羽織を掛けてやると、横に置いてあった帳簿を手に取りぺらりと捲った。
これも大事な仕事のうち。膝に安らかな温もりを感じながら、白鴉は黙々とそれに目を通す。
特に問題がないことを確認し終える頃には、0時を過ぎていた。
深く息を吐いて、本日のお仕事はすべて終了。
熟睡する陸桜を抱え、そっと部屋のベッドに寝かしてやる。
「おやすみ、陸。愛してる。」
囁いて、額に口付け。
いつの日か、じっくりと二人の時間を歩める時がくるように…
白鴉は先代に恥じぬ店主になれるよう、日々頑張っている。
「…バカ。」
静かに閉じられる扉に向かって、ベッドの中からぽつり。
あぁ、顔が熱くて眠気も覚めた。
心の中で何度もバカバカと呟き、陸桜の夜は更けていく ――― 。
【END 】
* / * / *
夜、少しだけ白鴉が休憩をしているその時間が、二人きりの唯一のまったり時間。
一時間もないほんの数十分の間だけの、スキンシップ。
もちろんそれ以外にも白鴉は休憩をしたり陸桜とも話したりはするけど、必ず他に誰かがいる。
従業員なり橙夢なり客なり嫌味を言いに来る分家の人達なり。
店が休みの日でも、白鴉にはまだまだ勉強することがたくさんで遊んでいる暇などない。
なので、基本的には橙夢と二人で出掛けるかバイトしてる陸桜。
学校にはあまり仲の良い友人はいない様子。実は、人見知りで、引っ込み思案。
でも、一人ぼっちは嫌い。だけどどうしても輪に入って行けない。
陸桜はこの年頃のわりには落ち着いていて、あまりクラスに馴染めないよう。
話しかけられれば普通に話すけど、常に心の壁越しに接してる。
とくに悪口とか避けられてるわけではないけれど、どこかクラスで浮いている、そんな感じの子です。
本当はすごくすごく寂しいけど、白鴉のことを心の底から応援してるし、いつか支えになれたらと思ってる。
いつか陸桜にもお友達ができたらいいね。
なんて思いつつ、わりと大人しい女子の中になら馴染めるんじゃないかと思ったり思ったり思ったり(?)
陸桜、お菓子作りが好きだったり可愛い物が好きだったりと何気に女子力?が高い。笑
もうすぐ夏休みですねー。あんま関係ないけど。ただ暑いだけじゃっ(ムキャッ)
我がリヴたちは夏休みどう過ごすんだろう、と もわもわ。
絶対キャンプとかそういうアウトドアは行かない。笑
橙流や橙夢や遥弐は好きそうだけど、それ以外はわりとインドア派な我が子たち。
海くらいは行くのかなー。避暑地に旅行にでも行けばいい。むしろ私が行きたい。
ではでは、皆様熱中症などには気を付けて、水分をよく摂られるのですぞ(誰だお前)
[ヒキコモリ]・)ノシ
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